Googleフォトに潜む危険性。子供写真のバックアップが危険な理由と対策。
子供の写真を撮りすぎて、スマホのストレージ容量が圧迫されている皆さん。はい、私です。
もちろん消すわけにはいかないし、なんならスマホを買い替えても全ての写真を残しておきたい。そこで使用するのがバックアップ。
バックアップの手段で、最もメジャーなのは「Googleフォト」かと思います。Googleのアカウントと、スマホにGoogleフォトのアプリをインストールしておけば、自動的に写真がバックアップできる手軽さが素晴らしいですよね。
ですが、Googleフォトに子供の写真をバックアップすることの危険性・リスクについてはあまり知られていません。最近、SNS等で”子供の写真をGoogleフォトにバックアップしていたらGoogleアカウントが停止された”といった声も目立ってきていますよね。
先に結論を書いておきます。
- Googleフォトに子供の写真をバックアップすることはやめるべきです。
- Amazon PhotosかNASにバックアップしましょう。
- 自身が利用しているサービスの利用規約はちゃんと読みましょう。
この記事では、この結論に至る理由や対策方法について説明していきます。
Googleフォトに子供写真のバックアップをすべきではない理由
理由は大きく二つあります。一つずつ説明していきます。
リスクの高い利用規約が多い
一つ目の理由は「リスクの高い利用規約が多い」という点です。
Googleフォトに限らずですが、利用規約って読まないことが多いと思います。あの長文を目の前にすると、一気にスクロールして「同意する」ボタンを押してしまうのが人間の性というもの。
それでも、読まなくても問題にならないのは、常識的な使い方をしていれば規約に抵触することがないからです。
ですが、Googleフォトの場合は違います。
後ほど具体例を挙げますが、今まで当たり前のようにやっていたことが規約違反になったりすることがあります。
規約違反時の罪が重い
二つ目の理由は「規約違反時の罪が重い」という点です。
罪というと少し大袈裟かもしれませんが、非常に代償が高いのです。具体的にはGoogleアカウントが停止されます。これは、Googleフォトが使えなくなるだけでは済まないということです。
GmailやGoogle Driveなどのサービスも全て使用できなくなります。
Twitterでの報告によれば、特に警告等もなく突然アカウントが停止されることもあるとのこと。Googleフォト専用のGoogleアカウントならまだしも、メインのGoogleアカウントで、Googleフォトと共にGmail等を使っている場合は終了です。オワタです。
陥りがちな規約違反の例
子供の写真をGoogleフォトにバックアップすることで抵触しかねない規約の例を以下に挙げます。
危ない順に記載していきますね。
規約違反例その1:児童の性的虐待と搾取
危ない規約その1は「児童の性的虐待と搾取」。規約の一部を以下に抜粋&引用しておきます。
児童の搾取や虐待にあたるコンテンツを作成、アップロード、配信しないでください。これには、性的児童虐待のすべてのコンテンツが含まれます。Google サービス上の児童搾取にあたるコンテンツを報告するには、[不正行為を報告] をクリックしてください。インターネット上の Google サービス以外の場所で見つけたコンテンツについては、お住まいの国の適切な管轄当局に直接通報してください。
〜略〜
Google ではこのようなコンテンツを削除したうえで、全米行方不明・被搾取児童センターへの通報、サービスに含まれている機能へのアクセス制限、アカウントの無効化などの適切な措置を講じます。児童が虐待や搾取、人身売買の危険にさらされている、または実際にその被害に遭っていると思われる場合は、直ちに警察当局に通報してください。警察当局に通報した後もまだ支援が必要な場合、または Google サービスで児童が危険にさらされている、もしくは危険にさらされていた疑いがある場合は、Google にその行為を報告してください。
要は、児童ポルノに該当するコンテンツです。ここで難しいのは、児童ポルノに該当するかの基準が、日本人と欧米で異なるということです。欧米の方が厳しい傾向にあるので、日本人である私たちが「大丈夫だろう」と思っていても、Googleの判定ではアウトになる可能性があります。
規約違反例その2:同意のない露骨な画像
危ない規約その2は「同意のない露骨な画像」。こちらも規約を以下に引用しておきます。
個人的なヌードや、性的に露骨もしくは露骨ではなくても性的なものを連想させる画像または動画を、本人の同意なしに保存、配信しないでください。ご自身の個人的なヌード、性的に露骨もしくは露骨ではなくても性的なものを連想させる画像または動画が何者かにより送信された場合は、こちらからご報告ください。
こちらは厳密には子供に限った規約ではないですが、肌の露出が多い画像はNGと判定される可能性があります。もしそれが幼児の写真の場合は、「同意がない」という条件も満たしてしまうので、より危険と言えます。
どんな写真が違反になる?
「児童ポルノに該当するような写真は撮影していないから私は大丈夫だ。」と思ったそこのあなた。
以下のような写真を撮っていませんか?
- 子供と一緒にお風呂に入っている写真
- 海やプールで水着で遊んでいる子供の写真
- 部屋の中を裸で走り回る子供の写真
ちなみに僕は撮ってました。さらに言うと、知らぬ間にGoogleフォトにもバックアップしてました。
繰り返しになりますが、日本ではセーフでも欧米ではアウトなんですね。
Googleはポリシーに違反している写真の存在をAIでチェックしている、と言われています。僕がアカウント停止になるのも時間の問題だったのかもしれませんね…。
今すぐにやるべきこと
ここまで読んで、自分にも心当たりがあるという方が今すぐにやるべきことは以下です。
- スマホのGoogleフォトアプリで「自動バックアップ機能」をオフにする。
- バックアップ済みの写真の中で、規約違反の恐れがある写真を全て削除する。
(他にバックアップがないなら保存してから)
これはGoogleフォトを使い続けるか止めるかに関わらず実行して下さい。お使いのGoogleアカウントを守るためです。
Googleフォトのバックアップを停止する方法は別記事に詳しくまとめてあります。
どう対策すればいい?
バックアップの手段を変えましょう。
この記事ではおすすめの手段を二つ紹介します。
Amazon Photosにバックアップする
Amazon Photosは「Amazon版のGoogleフォト」です。
気になる利用規約ですが、Amazon Photosの利用規約には、本記事作成時点ではGoogleフォトの利用規約にあったような「危険な利用規約」は見当たりませんでした。「今の時点での利用規約では問題なさそう」と言うだけで、利用規約はアップデートされていくものですから、そこは継続してウォッチする必要があります。
Amazon Prime会員であれば、無圧縮の画像であっても容量無制限の写真バックアップが使用できます。Googleフォトの場合は、無圧縮の画像をバックアップするとストレージ容量を消費してしまい、足りなくなったらGoogleに課金するしかありませんでした。この点は、Amazon PhotosはGoogleフォトよりも優れていると言えます。大切な子供の写真はできるだけオリジナルの画質で保存しておきたいですからね。
もし、あなたがAmazon Prime会員でない場合でもAmazon Photosは使用できますが、保存できる容量は5GBに制限されてしまいます。これはバックアップ先としては心許ない容量です。Amazon Photosへの乗り換えを検討される場合は、併せてAmazon Prime会員になることを強くおすすめします。
NASにバックアップする
もう一つの選択肢は、NASにバックアップすることです。
NASを少し乱暴に一言で言うなら「自宅に設置した自分専用のクラウド」です。
自分専用のクラウドですから、利用規約もへったくれもありません。俺がルールです。
NAS環境を整える初期投資は必要となりますが、それによって得られる自由度は他のサービスでは得られないもの。僕も、GoogleフォトからNASに乗り換えて2年ほど経ちますが、すこぶる快適です。
もし、あなたが”初めてのNASでよくわからない”という場合は、SynologyというメーカーのNASがおすすめです。
理由は大きく以下の3点です。
- Googleフォトの代替となるアプリケーションが存在する
- ユーザーが多いので困り事を解決しやすい
- 公式YouTubeチャンネルの解説コンテンツが充実している
僕が、Googleフォトの代替として、SynologyのNASを導入した話は別記事にまとめてあるので、気になる方は読んでみて下さい。
まとめ
この記事では、Googleフォトに子供写真をバックアップすることの危険性と、その対策についてまとめました。
改めて結論です。
- Googleフォトに子供の写真をバックアップすることはやめるべきです。
- Amazon PhotosかNASにバックアップしましょう。
- 自身が利用しているサービスの利用規約はちゃんと読みましょう。
「悪意なく、悪気もないのにGoogleアカウントが突然停止されてしまった」と言う不幸な人が一人でも減ることを願っています。